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公益通報者の保護

第148_2号 2006年8月

1.はじめに

法令違反による会社の不祥事が相次いでいます。なかには会社の従業員からの通報で明らかになったものもあるようです。
 特に労働関係では、割増賃金が支払われないサービス残業や派遣業の違反が目立っているようです。これらの違反行為は従業員の通報から明らかになるケースが多く見られます。会社はこれらの違反行為が発覚したら、早急に措置を採るべきでしょう。
 今回は従業員の通報とその対処について、今年4月に施行された「公益通報者保護法」を簡単に勉強してみましょう。

2.公益通報とは

「公益通報」とは、①労働者が、②正当な目的で、③労務提供先に、④労務提供先または役員、従業員に関して、⑤法令違反が起こり又は起こりそうなことを通報することです。それぞれの内容を簡単に見ると、次のようになります。「公益通報者保護法」では、通報した労働者を保護することが定められています。

  • 「労働者」とは、働いて賃金を受ける者をいいます。正社員はもちろん、パートやアルバイト、労働者を兼務している役員も「労働者」となります。
  • 「正当な目的で」とは、「通報」することで会社や役員、その他の従業員に損害を与えることを目的としてはならないということです。目的が不当であってはなりません。
  •  
  • 「労務提供先」とは、勤務先のことです。ただし、派遣労働者の場合は派遣先も「労務提供先となります。
  • 「労務提供先または役員、従業員」とは、勤務先のそれらのことです。ただし、派遣労働者の場合は派遣先も「労務提供先」に含まれます。
  • 「法令違反が起こりまたは起こりそうなこと」の法令とは刑法や証券取引法、労働基準法などのことで、413の法律があげられています。

3.通報を受けたら

通報を受けたら、会社は、速やかに是正等の措置を採ることが必要となります。通報対象事実を中止したときはその旨を、何らかの措置を採ったときはその旨を、通報した者に通知しなければなりません。

4.通報した者の扱いは

通報した従業員に対して解雇やその他の不利益な取り扱いは禁止されます。通報を理由とした解雇は無効となります。また、通報を理由とする異動や減給等の人事上の不利益な取り扱いも当然禁止となっています。

5.処理体制を整える 

通報により法令違反が明確となったときには、是正や再発防止などの措置を迅速かつ的確にするべきです。そのためには、相談窓口を設置したり、規程を整備するなどして、通報を受けてから問題を処理するまでの仕組みを整えることが重要です。

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