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LLPとLLC

第143_1号 2006年3月

はじめに

ライブドアの事件が世間を騒がせています。関与した公認会計士も逮捕されそうですね。同業者として複雑な心境です。

ところでこのライブドア事件で話題となったものに投資事業組合というものがあります。ライブドアが利用した組合形式は民法上の任意組合です。任意組合は2名以上の者が出資により共同して事業を営む旨の契約をするだけで成立します。登記も届出も何もいりません。ですから粉飾にうまいこと利用できたと言えます。

任意組合と似た組織でLLP(Limited Liability Partnership 有限責任事業組合)と、この5月からできるLLC(Limited Liability Company 合同会社)というものがあります。今回は、この両者について説明いたします。

1.なぜLLPやLLCが登場?

株式会社ですと会社運営に制約が多くなります。株主総会の決議とか、取締役会の決議とかを経ないと事が進みません。そうではなくて、構成員の意思で組織運営の判断ができて、利益の分配も構成員で決められるのが任意組合です。しかし、任意組合の構成員は無限責任を負っていますので、事業に失敗すると家族が住む家まで失いかねません。そこで、登場したのがLLPとLLCで、組織運営と利益分配も自由にできて、かつ事業で生じた損失は出資額まで負担すればよいという有限責任制です。では、次に両者の違いについて見てみましょう。

2.LLCは法人格がある

LLCは株式会社と同様に法人格があります。ですから法人が権利義務の主体となることができますので、法人で契約したり許認可を受けたりすることができます。一方LLPは法人格がなく、契約や許認可も各構成員がすることになります。

3.税金の課税の仕方が違う

LLCは法人に税金がかかります。業務執行社員となる構成員に対する報酬は役員報酬となります。LLPは組織自体に法人税がかかることなく、各構成員に税金がかかる構成員課税です。構成員が個人であれば所得税が、法人であれば法人税がかかります。またLLPの構成員はLLPで生じた損失を出資額を限度として構成員の所得と相殺できますが、LLCはできません。

4.LLCは1人でも設立できる

LLPを設立するには最低2名の構成員が必要ですが、LLCの設立は1人でもできます。

5.LLCは株式会社になれる

LLCは組織変更して株式会社になることができますが、LLPはできません。

6.LLPは全員事業参加が要件

LLCでは、お金だけ出して何もしない構成員を置くことができますが、LLPではできません。構成員全員が何らかの形で業務の遂行に携わる必要がります。

7.LLCとLLPと株式会社の使い分け

上場を目指したり、株式会社というネームヴァリューにこだわりたい場合は株式会社。株主など気にせずに、皆で自由に会社を運営して、比較的短期で結果の出るリスキーな共同事業であればLLP、リスクが少なく継続的な利益が見込めるのであればLLCといったところでしょうか。

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