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制度融資について

第139_1号 2005年11月

1. はじめに

景気が底入れして、上向きかけているようです。銀行の業績も好調で、国から資本注入された資金は全て国に返す勢いです。しかし、銀行に中小企業が融資を申し込んでも、よほど業績が好調でないと、おいそれと融資などはしてもらえません。やはり、国や地方公共団体の制度融資が中小企業にとっては身近な資金調達手段となります。以下、主な制度融資について紹介いたします。

2.国民生活金融公庫融資

「国金(コクキン)」と呼ばれている、中小企業では一番身近な金融機関です。

融資の手順は、以下のとおりです。

国金は、各地域ごとに管轄する店舗が分かれていますので、まずどの店舗に行けばよいか確認します。渋谷と世田谷は渋谷支店。新宿と中野と杉並は新宿支店といったように分かれています。

支店を確認したらまず相談に行きましょう。そして、法人の謄本または履歴事項全部証明書や2期分の決算書、最近の試算表などを添付して借入申し込みをします。すると、面談日が知らされ支店での面談があります。過去に、この段階で融資をやんわりと断られたお客様がいらっしゃいましたが、これはレアケースです。

そして、この面談後に担当者が事業所に実際に訪ねてくることが多いです。実際に事業をやっているかどうかの確認でしょう。そして、融資の実行が決まると借入証書を取り交わして、指定の銀行口座に融資金が振り込まれてきます。

国金の一般的な融資は、第三者保証人が必要とされるのが難点ですが、無担保・無 保証人で融資してくれる「新創業融資制度」などもあります。

3.区や市の融資あっせん

区や市の商工観光課などが窓口としてやっている融資です。区や市によって金利や制度が異なりますが、利子補給や信用保証協会の保証料の補給があり、かなり有利な制度となっています。

融資の手順は、以下のとおりです。

まず、区や市の担当窓口に行って申込書をもらうとともに、経営コンサルタントとの面接のアポイントをとります。申込書と決算書や謄本などの添付書類を提出して経営コンサルタントと融資相談をします。その結果、融資あっせん可能な場合は、あっせん書が交付されます。このあっせん書を取扱金融機関に持って行きます。あとは、金融機関とのやり取りになりますが、信用保証協会の保証が付くケースが多いです。そうすると、金融機関の担当者が窓口になり、信用保証協会とのやり取りになります。 保証協会がOKを出せば融資がでます。

4.東京都の制度融資

東京都の制度融資は、実際に利用したことがなかったので、都庁の金融係に手続きを電話で聞いたところ、東京都が窓口になるのではなく、取引金融機関を通して利用するとのことでした。取引金融機関がない場合には、直接信用保証協会に行って、保証協会の保証を受けられたら、保証協会から金融機関をあっせんしてもらうようです。 「では、東京都は何をしてくれるのですか?」と聞いたところ、「制度を作るだけです」と言われました。「何でこんなことで電話するの!」ってな感じでした。不愉快!

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