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健康保険でなく労災保険

第127_2号 2004年11月

はじめに

業務上または通勤途上でケガをした場合、健康保険ではなく労災保険で治療を受けます。健康保険証を持って病院に行っても治療を受けられません。では、「業務上」や「通勤上」とはどのような状況をさすのでしょうか。

1.業務上のケガ(業務災害)

業務上のケガと認められるには、まず、事業主の指揮命令下で業務を行っていることが必要です。そして、次に必要なことはケガと業務の間に因果関係が認められることです。つまり、「その業務をしていたからケガをした」ということです。
事業主の指揮命令下で業務を遂行中であったこと、そして業務に起因してケガをしたことの二点が判断基準となります。

2.準備中のケガは

業務遂行のための準備中や業務の後始末中も業務を行っている時間とされますので、ケガをした場合は業務災害と認められます。

3.休憩時間中のケガは

休憩時間中は事業主の指揮命令下にはないので、休憩時間中のケガは業務上と認められないことになります。ただし、事業場施設の欠陥が原因となった場合は業務上と認められることがあります。

4.出張中のケガは

出張はその過程全てにおいて事業主の指揮命令下にあると判断されます。宿泊中の事故でケガをした場合であっても業務災害となります。したがって、私的行為によるケガを除き業務災害であるとされます。

5.社内運動会や競技大会中のケガは

競技大会等でのケガについては業務性があれば業務上とされます。会場までの交通費やその他の費用が事業主負担で、全員出席が義務付けられており、これに参加しないことで業務上の不利益が課される場合(例えば、参加しないことでその日を欠勤扱いとされ賃金を減額されてしまう等)は業務上と判断されます。

6.通勤途上でのケガ(通勤災害)

就業場所(事業所等)と住居との間を、一般に使われるであろう経路を使って往復することを通勤といいます。その通勤途中でケガをすると通勤上のケガとなり、労災保険の適用対象となります。通行禁止の通路を通ったり意味もなくワザと遠回りをした場合は、一般に使われるであろう経路を外れたことになります。基本的には一般に使われるであろう経路を外れてからは通勤途上と認められないので、外れた後にケガをしても通勤災害とは認められません。

7.一般的な通勤経路を外れた場合

一般に使われるであろう経路を外れた場合は通勤途上と認められませんが、経路途中で休憩すること等は経路を外れたことになりません。通勤途中での最小限度の経路逸脱は認められるということです。帰宅途中で知人の家に寄ったり、酒屋で酒を飲んだりした後にケガをしてもそれは必要最小限度の経路逸脱ではないので通勤災害となりません。

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