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公認会計士あれこれ

第123_1号 2004年7月

1.はじめに

公認会計士という名称が最近新聞紙上でよく出てきます。今週も新たに日本公認会計士協会の会長になった藤沼氏が各日刊紙に写真入で出ていました。藤沼さんは私が試験に受かって初めて勤めたアーサーヤング会計事務所の上司でした。私の結婚式の主賓もやっていただいた方ですが、大変な出世です。 いろいろな意味で公認会計士は世間から注目されています。

2.税理士と公認会計士

よく、お客様から「公認会計士と税理士の違いは何ですか?」と聞かれます。この両資格はその資格者でなければできない専業業務があります。

公認会計士は、上場会社などの決算書の正確性を証明する監査証明業務が専業業務です。一方、税理士は税務相談や税務申告書の作成といった税務業務が専業業務です。しかし、公認会計士は税理士の資格も得られることから、「公認会計士・税理士」といった肩書きになります。

3.試験制度が変わります

現行の公認会計士試験制度は、第1次試験(大学卒業者は免除)、最難関の第2次試験、そして実務経験を3年積んだ後の第3次試験に受かって晴れて公認会計士の資格を取ることができます。

しかし、2006年から1次試験と3次試験が廃止となり、2次試験の内容も大幅に変わります。私が受験したときの2次試験は7科目で、全てに合格点を取らないと、翌年またふり出しに戻って出直しでした。しかし、新しい試験制度では、科目も5科目となり、科目別の合格制となるようです。要は試験をやさしくして、合格者を増やそうということみたいです。私が合格した1981年の2次試験の合格率は5%台で、全国で240人しか合格しませんでしたが、2003年の2次試験では受験者の増加により8.4%の合格率で1,262人の合格者でした。

4.3次試験は思い出深い

公認会計士の最難関である2次試験を終えて、開放感から遊びまくった2年が経過すると、今度は3次試験の受験に向けてふんどしの紐を締め直さなければなりません。試験前6ヶ月の土日は3次試験のための受験学校に通いました。「もう、いつまで試験をやるんだよ!」ってな感じです。

この3次試験がまたいやらしく、まず論文の試験があり、この論文の合格者はさらに口述試験があります。口述試験は著名な大学の先生などに1対1で質問され即答するのです。私はこの口述試験で「有価証券報告書は決算日後何ヶ月以内に提出しなければなりませんか?」と一番初めに聞かれ、自信を持って 「2ヵ月以内です 」と言った後の、試験委員の先生の口を開けたままの呆れ顔を忘れることができません。こういう思い出を作れる3次試験がなくなってしまうのもチョッと残念ですね。

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