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退職と社会保険

第120_2号 2004年4月

1.はじめに

加入していれば毎月保険料を支払っている社会保険。しかし、厚生年金の被保険者期間や保険料、健康保険についてはあまり考えたことはないのではないでしょうか。ここでは、退職と社会保険について少し考えてみましょう。

2.退職日と被保険者期間(1)

厚生年金保険は資格喪失日によって被保険者期間が変ってきます。それは、資格喪失日(退職等の翌日)の属する月の前月までが被保険者期間となっているからです。例えば、3月31日に退職した場合、4月1日が資格喪失日となり、被保険者期間は資格喪失日の属する月の前月、すなわち、3月までが被保険者期間となります。この場合、事業所は従業員の保険料を3月分まで支払うことになります。

3.退職日と被保険者期間(2)

では、退職日を3月31日ではなく30日にするとどうでしょう。この場合ですと、31日が資格喪失日となり、31日の属する月の前月、すなわち、2月までが被保険者期間となります。事業者は2月までの保険料支払ですむわけです。このように、従業員の退職日を1日ずらすだけで1ヶ月分の保険料の支払がなくなります。

4.退職日と被保険者期間(3)

前述の30日に退職した従業員は気をつけなければなりません。「3月末まで会社にいたのだから、3月まで厚生年金に加入していた」と錯覚してしまうからです。厚生年金に加入している期間は厚生年金の被保険者であると同時に国民年金の第二号被保険者です。従って、加入していたと思っていた期間は、しっかりと年金加入の手続をしなければ厚生年金の被保険者でも国民年金の被保険者でもなくなってしまうので、年金未加入期間となってしまいます。1ヶ月でも年金未加入期間や保険料滞納期間があると、遺族年金・障害年金の受給資格を得られない場合がありますので注意が必要です。

5.退職と健康保険

社会保険適用の事業所を退職すると健康保険も資格を喪失します。資格喪失日は退職等の翌日です。資格を喪失した場合、国民健康保険の被保険者になるか、そのまま任意継続するかの選択肢があります。任意継続の場合、継続期間は2年ですが、標準報酬(給与月額とほぼ同じ額)は最高で30万円となるので、それ以上に給与月額の高かった人にとってはお得な制度かもしれません。標準報酬が高くなるとそれに比例して支払う保険料も高くなるからです。しかも、国民健康保険では市区町村によって傷病手当金、出産手当金の支給が任意のため、地域によって給付にちょっとした差があります。任意継続した場合、保険料は退職する前とは違い全額自己負担になります。

6.任意継続の条件は

任意継続するには資格喪失の前日までに加入していた健康保険の被保険者期間が継続して2ヶ月以上あったこと、資格喪失日の翌日から20日以内に手続をすることなどの条件があります。

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