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路線価の活用

第088_2号 2001年8月

国税庁から平成13年分の路線価が公表されました。路線価とは国税庁が決める土地の価格です。相続税や贈与税を課税する際に使われます。

今年の路線価は全国平均で6.2%の下落で、これで9年連続して下落ということです。

東京、名古屋、福岡などの都心部では一部上昇した地点もあるようですが、20%を超える下落率の地方都市もあるようで地価の二極分化が進んでいます。

1. 4つの地価

①実勢価格
いわゆる土地の時価です。実際に土地が売買されるときの相場です。
②公示価格
国土交通省から公表される地価です。毎年1月1日現在の標準地の価格が3月ごろ公示されます。
この公示価格を補完するものとして都道府県が公表する基準地価というものがあります。これは毎年7月1日現在の基準地の価格を9月ごろ発表するものです。
いずれも実際の土地取引の参考とするためのものです。
③路線価
上記に述べたように国税庁が公表する土地の価格です。毎年1月1日現在の価格を8月ごろ発表しています。公示価格の80%水準となるように決められています。
④固定資産税評価額
市町村が固定資産税を課税するために決める土地の評価額です。固定資産税の他に都市計画税、不動産取得税、登録免許税を計算する際にも使用されます。
3年ごとに改訂され、公示価格の70%水準になるように決められています。

2.路線価の活用

①どこで路線価を調べるか
近くの税務署に行けば全国の路線価を調べることができます。税務署の資産課税部門に路線価図という地図帳のようなものが備えてあります。そこではたいてい机と椅子が準備された路線価閲覧コーナーが設けられており、納税者が勝手に好きな時間だけ路線価図を無料で閲覧できるようになっています。
また路線価図の必要な個所をコピーするためのコピー機も設置されています。(ただしコピーは有料です。)
②路線価をもとに土地の評価額を算出
路線価とはその土地の1㎡当りの価額を千円単位でその土地が面する道路(すなわち路線)に表示したものです。
たとえばその土地が面する道路に500と表示されていれば、その土地の価額が1㎡当り500,000円であることを示します。その土地が100㎡であれば評価額は5千万円ということになります。
ただし、実際の評価計算はこんなに単純ではなく、その土地の形状や利用効率の良し悪しなどにより様々な調整計算が行われます。この調整計算はかなり専門的な知識を必要とします。
簡単なケースでしたら税務署の税務相談で評価額を計算してくれると思います。
正確な評価額を算出したいということであれば税理士などの専門家に依頼されることをお勧めします。
アトラス総合事務所 公認会計士・税理士 井上 修
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