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平成13年度税制改正

第081_1号 2001年1月

1.はじめに

改正法の原案となる「平成13年度税制改正大綱」がまとまりました。この中から身近な改正項目を以下説明いたします。

2.パソコン税制の廃止

100万円未満のパソコン等を一時償却できるパソコン税制の適用が、13年3月31日をもって廃止されます。

3.パソコンの耐用年数短縮

耐用年数とは固定資産の使用可能年数で、この年数が短くなると減価償却を通じて早く費用として計上することができます。
現在6年ですが、この4月1日以降開始事業年度から「4年」になります。現行の6年ですとパソコンの買った金額の31.9%を購入年度に費用化できるのが、「4年」ですと43.8%が費用化できることになります。

なお、パソコン以外の電子計算機については5年となります。パソコンを100万円以上購入(複数台可)すると、特別償却で30%を追加で費用化することもできます。

パソコンの使用可能年数が4年になったのは実態に合っているような気がします。

4.住宅ローン控除

13年7月以降入居分から5,000万円のローンまで、控除期間10年、住宅ローン残高の1%を税額控除するようになります(10年間で500万円の控除が最高)。現行の住宅ローン控除の最大控除額が15年で587.5万円ですから、まだかなり優遇された制度です。

この制度が終わらない内に家を建てましょう。

5.贈与税の基礎控除引き上げ

贈与税の基礎控除とは贈与しても税金がかからない金額のことで、この額が現行の60万円から110万円に引き上げられました。つまり、今年から110万円を親からもらっても贈与税はかからないということです。

6.住宅取得資金の贈与特例

自分の父母または祖父母から住宅取得資金の贈与を受けても税金のかからない額が現行の300万円から550万円になりました。

7.小規模宅地の面積の拡大

相続税計算上、亡くなった人が商売をやっていた土地(事業用等宅地)、または住んでいた土地(居住用宅地)については、最大その評価額が8割引される制度があります。

この適用対象土地面積が2割ほどアップして、適用要件により200㎡、240㎡、400㎡となりました。

8.株式譲渡益課税

株式の買値と売値の差額である利益に税金をかける方法(申告分離課税)でなく、売値の1.05%を税金として課税する源泉分離課税方式が今年の4月から廃止の予定でしたが、2年間今までどおり存続しました。株式相場が今のような状況ではこの制度は存続せざるを得ません。

9.その他

その他、商法改正に伴う企業再編税制があります。企業が分割されたり合併したりした場合の税制の整備です。

アトラス総合事務所 公認会計士・税理士 井上 修
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