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遺言書

第053_1号 1998年8月

1.はじめに

遺言書とは、被相続人(故人)が自分が亡くなったときに、誰に何を譲るかを明示した文書のことです。相続騒動を回避する一つの有効な方法です。

遺言書の種類は大きく分けて、自筆証書遺言と公正証書遺言がありまが、以下説明します。

2.自筆証書遺言

遺言者自らが自書する遺言書です。注意事項は以下の通りです。

①自書でなければならない。

遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければなりません。タイプやワープロによる作成は無効です。

②日付を書かなければ無効です。

年月だけで日がないものも無効です。

③氏名は通称名でも芸名でもOKです。

④用紙・様式に制限なし。

原稿用紙、便箋、横書き、縦書きOK。

⑤押印は三文印でも指印でもOK。

実印でなくても有効です。

⑥字句の訂正や変更にはルールがあります。

  • イ)加除その他の変更する場所を指示し
  • ロ)加除訂正削除など変更した旨を書き
  • ハ)特にその付記したところに署名し
  • ニ)変更したところに印を押すことが必要で、要件が欠けていると遺言書は無効となります。したがって、 間違った場合は新たに書き直した方が安全です。
  • ⑦「誰に何をあげるか」を特定する。

    ⑧不動産は謄本の表示どおりに記載する。

    不動産は登記をしなければなりませんが、謄本の表示どおりの記載がなければ、遺言書を元に登記手続きができないからです。

    ⑨定期預金の書き方

    定期預金については、銀行支店名、口座番号、名義、金額を書きます。

    ⑩何を書いても有効です。

    自分の半生記であるとか、教訓であるとか、「兄弟仲良く暮らせ」とか書いても、遺言書自体は有効です。

    ⑪財産の一部でもOK。

    一部の財産だけ特定して「残りの財産については、相続人の協議に委ねる」もOK。

    ⑫遺言書が二つあるときは日付が後のものが 優先する。

    ⑬遺留分を侵害する遺言書も有効

    遺留分とは相続人の法律上の最低限度保証取り分ですが、この取り分を無視した遺言書も有効です。相続人が後で「遺留分減殺請求権」(俺の最低取り分をくれという請求)を行使することになります。

    ⑭遺言執行者を決めておく。

    遺言書の中で、遺言執行者(遺言の内容を実現するために必要な一切の事務をとる人)を決めておいた方がベターです。

    3.公正証書遺言

    これは公証人役場において、証人二人以上の立会の下に、遺言者の口述した遺言を公証人が筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせて承認させ各自署名押印し、公証人が、これで間違いない旨付記して署名押印したものです。

    遺言内容を公にして良い場合は公正証書で、
    逆の場合は自筆でというのが選択のポイントです。

    「相続手続のすすめ方」中村人知著 税務経理協会から
    アトラス総合事務所 公認会計士・税理士 井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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